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カイゼン
セルフリーダーシップ
2025.01.16
お客様の声 サクラみそ食品㈱様
会社名 サクラみそ食品㈱ 様
事業内容:・各種味噌 ・塩麹・醤油麹 ・乾燥天ぷら ・天ぷら 等の製造販売
サクラみそ食品様(福岡県久留米市)は1913年(大正2年)に味噌製造業として創業した地域に根差した食品メーカーです。その後インスタント食品向けの乾燥燥天ぷらの製造を開始し、さらに麺関連製品、「食べる甘酒」など時代のニーズにあった製品開発を展開されています。
今回、代表取締役社長 野田豊國様、元気経営とカイゼンを4年間行ってきた油加工工場 生産課課長 黒田勝之様、3年間行ってきた味噌工場 製品開発課課長 緒方健一様にお話を伺いました。
Q 元気経営のカイゼンをどのようなきっかけではじめられたのでしょうか?
(野田社長)これまでも外部から専門家から指導をもらっていました。5Sのアップと生産性アップの必要性を感じていました。そんな時に顧問税理士のご紹介で元気経営を知りました。
Q 当時はどのような課題をお持ちでしたか?
(黒田課長)油加工工場では人材不足だったので、そこを解消したいと思っていました。
(緒方課長)味噌工場では超ベテランが多く、仕事のやり方が凝り固まっていて、「それが正しい」と思っていました。「本当にそうか」見てもらいたかったんです。
Q 依頼の決め手はなんでしたか。
(野田社長)常に外部の専門家から指導を受けていました。顧問税理士に元気経営をご紹介してもらったことで一度お願いしようかとなりました。
Q 依頼を決めるとき、社内で相談されましたか。合意はスムーズに得られましたか。
(野田社長)当時の工場長に相談しました。「生産性を上げないといけない、職場の環境をよくしないといけない」との意識を共有していたので、導入することにしました。
Q 元気経営のカイゼンを導入するにあたって、社員へどのように伝えましたか。またどのような反応でしたか。
(黒田課長)まず油加工工場で始めることになり、工場長から社員へ「生産性を上げるために外部から専門家が来る」と言われました。実は「もうやることないだろう」と思っていました。これまでも別の専門家が来て不良率の改善を会議室でやっていました。そんなに大きな成果が出ませんでした。生産性については「これだけ自分たちでやっているから、もうできないだろう」と思っていました。「大きく変わらないんじゃないか」と。
Q 元気経営のカイゼンに取り組むことで、どのような成果が出ましたか。
(野田社長)はじめに元気経営の工場診断に来てもらったときに、安いと思って外注包装していた製品がありました。すると「閑散期は社内に人と時間の余裕があるから、内製化したら外注費が浮きますよ」と言われ、すぐに内製化を行うことでさっそく効果が出ました。
(黒田課長)「まだやるべきことがある」ことに気づきました。油加工工場の天かす包装工程では、まとめ作業で行っていました。まとめてシール機に通す、まとめて箱に入れる。それを1箱流しにしました。ストップウオッチで測ると、1箱流しの方が早かったんです。「まとめてやる方が早い」という思い込みがあったんですが、実際に数字で較べることでその場で効果が実感できました。
(黒田課長)油加工場で製品をリニューアルする包装ラインの人員が1.2倍必要になることがわかりました。しかし改善することで、逆に人員が減って作業できるようになりました。
(黒田課長)またフライヤーでは4人で1時間7,500枚生産していましたが、3人で生産できるようになりました。さらに改善をすすめ、4人になると1時間9,000枚生産できるようになりました。これまでは4人の定員制だったので3人ではラインが動かせませんでした。どのラインも定員制だったので、1人連れてくると他のラインが止まります。ところがその日の人員や必要数に合わせて3人でも4人でラインが動かせるようになりました。
(黒田課長)一番大きかったのはコロナの時です。海外からの実習生が15名入国できなくなり、60名で行う予定だったのを45名で行わなければならなくなりました。出荷に間に合うのか不安でしたが、それまでに続けてきたカイゼンのおかげで繁忙期を乗り切ることができました。元気経営のカイゼンをやっていなかったらと思うと、ゾッとします。
(緒方課長)味噌工場では体の負担が減って、楽になりました。40kgの味噌樽を抱え、歩いてパレットに乗せる重労働がありました。300万円の設備を入れるところでした。その職場を見てもらい、まず2Sを行って作業場を広くしました。そしてローラーコンベアーを使用することでパレットのそばまで運ぶことが可能になりました。300万円が浮きました。
(緒方課長)味噌すり工程では、作業者1人と補助0.5人で作業していました。レイアウトを変えて1個流しをすると、1人作業になりました。甘酒充填工程では作業台の高さを工夫し、レイアウトを近づけることで2人作業が1人作業になりました。
Q 元気経営のカイゼンに取り組むことで、社員の皆さんがどのように変化したか聞かせください。
(緒方)元気経営のカイゼンは、その場ですぐにやる。過去の専門家の支援時はアドバイスだけで、やってみるとできないことがありました。しかしは一緒になってやってくれます。
(黒田課長)無理な課題を出さないから、進んでいきます。会議室で課題だけだされても、進まないことがありました。現場で一緒になってやってくれるから、確実に進んでいきました。その場で成果が出る、やっていて楽しい、だからやりたくなる。だから社員のカイゼン力が上がりました。先日、「現場の事務机のレイアウトを変えよう」と社員に伝えてました。前ならどこに移すか、移す先のレイアウトがどうなっているかなど検討すると数日かかるでしょう。ところが相談して2時間たったら、いつの間にかレイアウト変更ができていました。
(緒方課長)今のやり方でいいのか、疑問に思えるようになりました。現場の作業でも「ああしよう」「こうしよう」と自分で考えてやってくれるようになりました。「やってみよう」という意識に変わりました。うまくいかなかった時でもあきらめずに、「次に先生に相談しよう」と前向きになりました。
Q 野田社長から見て、社員の皆さんがどのように変わりましたか。
(野田社長)仕事がやりやすくなったのかな。幹部には、部下が成長しないとあなたたちは成長しないと言っています。幹部が成長しないと会社は成長しません。そのためには社員が成長し、幹部の仕事を部下に与える。そして幹部は社員ができないことをやるんです。
Q 今後の方向性や取り組みなどをお聞かせください。
(野田社長)味噌製品は全国味噌品評会で2年連続入賞しています。しかし前には5年連続入賞したことがあるので、さらに連続入賞を継続したいですね。そのためには品質を上げることです。雑菌を減らさないといけません。そのために工程ごとの清掃、メンテナンスのレベルを上げ、製品ごとの精度を上げていきます。そのためにもまず自分自身の服装、身の回りにまで気づく社員になってほしいです。さらに品質を上げ、連続入賞を継続していきたいですね。