カイゼン
トヨタ生産方式
実績
2020.02.16
アメリカ医療研究所 滅菌準備作業で1個流し 生産性275%
1000人の医療研究所でカイゼン
アメリカにある医療研究所には、都心の15階建てビル数棟に1000人の研究者が従事していました。
その所長が「カイゼンしたい」とのことで渡米しました。
今回は滅菌準備作業で行った1個流しを紹介します。
ロット生産は場所が広くなる
はじめに研究者が使用したフラスコ、ビーカーを回収し、洗浄します。
その後、滅菌のために行う滅菌準備作業では、洗浄されたフラスコ、ビーカーにキャップをして、滅菌するのですが、ロット流しをしていました。
洗浄されたフラスコ、ビーカー(緑の囲み)を仕分けし、大きさ毎に3台の台車(赤の囲み)に置きます。
次にその台車からフラスコ、ビーカーをとりキャップをつけて、台車に戻します。
ここで問題になったのは、仕分け作業をロット流しをしていたため、3台車必要でした。
するとキャップつけ作業台の横には1台しかおけないため、他の2台は真後ろもしくは、2歩離れた場所に置かざるをえませんでした。
このようにロット流しでは場所が広く必要なため、動作が大きくなることがわかります。
1個流しで動きが最小に
そこでカイゼンをして、1個流しを行うと、レイアウトが大きく変わりました。
洗浄されたフラスコ、ビーカーを1個とったら仕分けずに、そのままキャップをつけて置きました。
すると仕分け台車が3台必要だったのに、1台ですみました。
台車の数は合計4台車から2台車になり半減しました。
スペースが半減したということは、人の動きも半減します。
その結果、1個流しではロット流しにくらべて、動作が最小になります。
1個流しは「取り置き」が減る
またロット流しで行っていた仕分け作業が不要になりました。
ロット流しでは「取り置き」が3回ありました。
このように1個流しをすると仮置きが減るため、「取り置き」2回になり1回が減りました。
生産性275%達成
その結果、ロット生産では5分47秒かかっていた滅菌準備作業が、1個流しでは2分6秒になり、3分41秒短縮できました。
生産性は275%になりました。
また作業スペースは1/3になりました。
このように1個流しにするとスペースが小さくなり、動作が最小になります。
さらに「取り置き」が減るので、作業時間が短縮され、生産性が向上します。
「1個流し」で生産性を向上に取り組むことをおススメします。