カイゼン

トヨタ生産方式

2019.10.02

カイゼンの基本①5S

カイゼンの基本①5Sのイメージ

5Sは3S+2S

多くの工場で「5S」「整理・整頓」と表示をしており、いかに5Sが大事かは認識されていますが、実際に行うにはどうしたらいいのでしょうか。

5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、躾の5つの頭文字のSから成り立っています。整理とは「必要なものと不要なものを分けて、不要なものを捨てること」であり、「要らないものを捨てる」と言えます。整頓は「必要なものを使いやすいように並べること」で、探すムダがないようにします。清掃は「汚れやほこりを十分に取り除くこと」で、機械設備や人の能力を十分に発揮できる職場にすることです。

そして清潔は「整理・整頓・清掃の3Sの状態を守ること」です。最後の躾は「決められたことを正しく守る習慣づけのこと」です。このことから分かるように、5Sの本質は「整理・整頓・清掃」であり、残りの清潔、躾は3Sを守り維持することを意味しています。そのため、「3S」や「2S」と表示することが多いのです。

整理のポイントは「期限を切ること」

現場で整理・整頓を行う時に、整理をする際に「必要なもの、をどのように分けるか」が問題になることがよくあります。現場の人に「これ必要ですか」「いりますか」と聞くと、多くの人は「必要」と答えます。それではどうやって「必要か」「必要でないか」に分かればいいのでしょうか。ポイントは「期限を切る」ことです。例えば「今日要りますか」と聞くと、「今日は使わない」と返ってきます。その場合、今日使わない分は移動して、前工程に戻す、資材置き場に戻す、もしくは捨てる判断ができます。期限を「今日」「一週間」「一ヶ月」と区切ることではじめて「必要か」「不要か」の判断ができるのです。

整頓のポイントは3定管理

次に、必要なものを使いやすいようにどのように「整頓して」置くかです。ポイントは「3定管理」です。「定品」「定位置」「定量」つまり、定められて品物を、定められた位置に、定められた量だけ置くことです。具体的には線を引き、表示をすることです。

駐車場のように線があると、自然に線の中に置いてくれます。さらに駐車番号が表示してあると、ショッピングモールのように広い場合にもどこに停めたのか分かります。駐車場では一つの区画に1台しか駐車しないので、定量にもなっています。

このように、線を引き表示する、可能なら定量になるように線を引くか置き場を制限することです。現場では線を引き、「台車3台」と表示することで、定品、定品、定量が決まります。また「A部品 最大5箱」と記入し、棚の高さが5箱までしか置けないようにして置くと、定量が維持できます。

5Sはムダが見えやすい職場をつくる

このように2Sを進め、その状態が維持できる5Sが進む、どんなメリットがあるのでしょうか。トヨタ生産方式では「5Sはムダが見つけやすい職場をつくるため」と言っています。要らないものが現場にある、必要なものがどこに置いてあるか分からない、そのような職場では、カイゼンを進めるのは難しくなります。

5S、特に2Sを徹底して進めれば、まったく付加価値を生まない「探すムダ」がなくなることで、動作が楽になります。また3つめのSである掃除をキチンと行うと職場がキレイになり、今まで気づかなかった「ムダ」に気づくようになるのです。そのため5Sを行うと「ムダがみえやすい職場」になるのです。

5Sを進め、ムダを見つけやすい職場にして、カイゼンを進めて行きましょう。

解説