カイゼン

トヨタ生産方式

2019.11.28

カイゼンはニーズから

カイゼンはニーズからのイメージ

ニーズからの出発

1978年に出版された「トヨタ生産方式」(大野耐一、ダイヤモンド社)の第一章は、「ニーズからの出発」です。以下紹介します。

終戦後、トヨタ自動車の創業者豊田喜一郎氏は「3年でアメリカに追いつけ。そうでないと日本の自動車産業は成り立たないぞ」と言いました。

当時、日本とアメリカの生産性の差は1:9と言われていました。

3年で生産性を9倍にしなければならない「ニーズ」が生まれたのです。

それを聞いた大野耐一先生は、「アメリカ人は体力が10倍あるわけではない。日本人は何かムダなことをしているに違いない」と考えました。

そして1947年、終戦2年後に「手待ちのムダ」を発見し、機械の2台持ち、3台持ち、4台持ちへと生産性を上げていったのです。

このニーズからの出発をもとに、978年に「トヨタ生産方式」が出版されるまでに31年かかったのです。

初めにニーズありき

「トヨタ生産方式」には他にも「初めにニーズありき」「トヨタの現場ではニーズに基づいた改善を行っている」と記されています。

初めにニーズがあり、それをもとにカイゼンする。

今で言うと、働き方改革で残業時間を月40時間までに抑えないといけない、というのはニーズです。

仕事はあるのに、残業できない、その相反する状況がニーズであり、それをカイゼンで解決するのです。

他にも「在庫を半減する」「納期を1週間短縮する」「不良を半減する」などの目標もニーズになります。

ニーズはこのように会社、部門でたてた目標だけではなく、個人で目標を持つこともできます。

「改善件数が昨年は5件だったから今年は10件にする」「先月は不良3件出したけど、今月はゼロにする」「1時間10台の加工しかできないけど、12台できるようにしよう」「技能検定をとる」などの目標が、ニーズになります。

ぜひ、目標をたてて、ニーズをつくってください。

「必要は発明の母」というように、必要に迫られれば新しいアイデアが出て、カイゼンできます。

自らニーズをつくり、カイゼンすることで、個人も組織も成長していきましょう。