カイゼン
トヨタ生産方式
2019.11.22
カイゼンは誰でもできる!動作のムダ④手の動きは小さく
手の動きはムダ
ほとんどの作業には、手の動きが伴います。
歩行、振り向き、しゃがむに比べると、手にワーク、部品、工具を持ち手を動かしている方がムダが少ないです。
しかし「付加価値を生む時間」は「手が動く時間」の中の一部であり、手が動くのはムダなのです。
もしかしたら「手が動いているから仕事しているじゃないか!」と言われるかもしれません。
大事なことは、手を動かすのが目的ではなく、付加価値を生むために手を動かしているのです。
ここで付加価値を生む時間とは、ワークが加工され、変形することで価値が付加される瞬間のことです。
例えば電導ドライバーでビスを締める作業を見ましょう。
①電動ドライバーを取る ②ビスを取る ③ビスを当てる ④ビスが入る ⑤電動ドライバーを戻す
この中で付加価値を生むのは「④ビスが入る」時間だけです。その他は全てムダになります。
「手の動きは必要であるが、ムダ」な動作だと認識、できるだけ小さくなるように改善しましょう。
手元化して手の動きを最小に
ワーク、工具を手元化すれば、動作範囲が小さくなります。
手元化して動作を小さくする3つのポイントをお伝えします。
間締め
動作のムダをとる基本は、間締めです。
間締めとは、離れている工程もしくは部品、工具などの間を締めて近接化する事です。
間締めすれば、動作距離が短くなり、手の動きが小さくなります。
間締めに取り組み、手の動きを小さくしましょう。
20cm1秒
わずか20㎝の動きでも、手が動くのに時間がかかります。
ソニー、キヤノンにセル生産を指導された山田日登志先生は、「20cm1秒」と言われました。
「20cm縮めれば1秒短縮できる」を合言葉に、「20cm1秒」運動をすると、すべての作業者がカイゼンに取り組むことができます。
現場の人を巻き込んで全員参加にするためには、専門用語ではなく、感覚的にわかるカンタンな言葉を使うといいでしょう。
「20cmのムダ」「1秒のムダ」をなくしましょう。
平面から立体に
ある程度の部品点数、工具を使用する場合、間締めして近接化しても平面に並べるだけでは手の動きを小さくするのに限界が来ます。
そこで、平面配置を立体配置にします。
立体配置にすることで、手の動く範囲が狭くなると、視線の動く距離が短くなります。
顔を動かさずに目線だけで追える範囲に配置できれば、両手作業がしやすくなります。
立体配置を行うことで、手元化し、手の動きを小さくしましょう。