カイゼン
トヨタ生産方式
経営
2020.07.16
売れた分だけ作る「かんばん方式」
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まとめ生産から平準化生産へ
顧客の変化が激しい時は、「販売計画=生産計画」ではなく、「売れた分だけ作る」仕組みを構築しましょう。(ブログ参照)
売れた分だけ作るには、「まとめ生産」から「平準化生産」に切り替え、多品種少量を多頻度でつくれるようにします。
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今回、平準化生産に切り替え、製品Aを毎日10個つくる場合を事例に、かんばん運用事例を紹介します。
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かんばん運用事例
毎日10個販売し、毎日10個を生産する場合、在庫はゼロ、一時的にたまっても10個で済みます。
しかし実際には出荷の変動があり、この会社では出荷のブレを考慮して3日分の最大在庫30個を持つことにしました。
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1回の生産ロット10個が1箱に入る場合、在庫は最大30個、3箱になります。
1箱に「かんばん」を1枚ずつ貼ります。
ここから「かんばん」運用スタートです。
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まず出荷され、1箱分が空になりました。
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そして貼ってある「かんばん」が外れます。
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かんばんが外れたら、ポストに入れて確実に回収します。
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このかんばんは、「生産指示かんばん」と言い、「何をいくつ、どこでいつまでに」作るの情報が記載されています。
ちなみに、かんばんにはもう一つ「引き取りかんばん」がありますが、別の機会に紹介します。
最大在庫は30個、3ロット分なので、右上にある「1/3」は全3枚中の1枚を表します。
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かんばんが外れたので、生産計画に入れます。
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そして生産します。
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生産された10個が入った箱と、かんばんを製品ストアに置きます。
これでかんばんが製品とともに戻ってきました。
かんばんの運用方法には諸説ありますが、概要はこのように運用します。
鉄則 かんばんが外れた分だけ作る
ここで大事なことは、「かんばんが外れた分だけしか作れない」ということです。
もしかんばんが1枚しか外れないのに、2回生産したらどうなるでしょうか。
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在庫が2箱20個で、残り1箱10個しか置けないのに、2箱20個が生産されてきました。
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すると製品在庫は40個になり、最大在庫30個をオーバーした10個が過剰在庫となり、「つくりすぎのムダ」となっています。
そのため、「かんばんが外れなければ作ってはいけない」のです。
売れた分だけ作る
「かんばんが外れる」ことは、「売れた」ためです。
ということは、
①売れる ⇒ ②かんばんが外れる ⇒ ③作る
このサイクルが、「売れた分だけつくる」仕組みになっています。
かんばんがあることで、つくりすぎのムダを抑え、売れる分だけ作る仕組みが構築できます。
平準化生産と「かんばん」運用で、売れた分だけ作る仕組みを構築しましょう。