カイゼン
トヨタ生産方式
2019.10.30
在庫削減の3ステップ②リードタイム短縮
工場内の仕掛品を減らし、リードタイム短縮をする
前回の「多品種少量生産製品」では、製品在庫を減らすために「生産ロットを減らす」「 平準化生産にする」「製品ストアを 現場でつくる」ことをお伝えしました。
今度は工場の中の仕掛品を、いかに減らすかに焦点を置きます。
ポイント①引き取り方式
まず、前工程からの押込み方式をやめて、後工程が必要な分だけを取りに行く「引取り方式」に変えます。
今日一日分だけを持ってくる場合、 次工程は翌日まで待たなければなりません。そこで自工程は前工程から持ってくる量を減らしていきます。
例えば半日分だけ引き取ると、自工程には半日後に渡ります。そして2時間分にする、1時間分と減らします。 そうすることで、自工程のリードタイムが 減り、早く次工程に渡すことができます。
ポイント②時間管理
次は前工程の仕掛品を減らします。「後工程が、いつ、何を、どれだけ使うか」
を知ることです。そして、後工程が使う時間に合わせて つくるように変えていきます。
後工程が明日使う分を今日作る。 午後使う分を、午前作る。10時から12時までの分を、8時から10時につくる。すると工程間の仕掛品が減っていき、後工程に合わせて前工程がつくるようになり、リードタイムが短縮します。
このように日程管理を時間管理に変え、 工程をつなげていきます。
そのためにも、後工程が1時間ごとに 何をいくつつくるか見える化した、「生産管理板」を活用します。
ポイント③間締め、1個流し
引取り方式と時間管理は、工程間の在庫である 仕掛品を減らすのに有効です。次は工程内の仕掛品削減についてお伝えします。
作業者と作業者の間を締める「間締め(まじめ)」をしましょう。そうすれば、作業者間の仕掛品は 置けなくなり、少なくなります。
理想は手渡し、「1個流し」にすると 最小の仕掛品になります。
ポイント④セル生産、一人屋台
間締めをして、1個流しを行うためにも「セル生産」に挑戦しましょう。
セル生産は少人数の多能工が1個流しで生産します。
多能工なので、仕掛がたまりそうになると後工程を応援する。仕掛品がなければ前工程を応援する。仕掛品が最小になり、生産性が上がります。
またセル生産をすすめ、「一人屋台」にも挑戦してみましょう。
セル生産、一人屋台のように少人数になるほど、ライン数が増えるので、同時につくれる品種数が増えます。
1日につくれる品種数が増えると、製品在庫を減らすことができます。
まとめ
工場の仕掛品を減らし、リードタイムを短縮します。
その結果、納期対応が増すため、さらに製品在庫を減らすことができます。
リードタイム短縮に取り組み、在庫削減を実現してください。
次回は在庫削減の3回目、「現場を巻き込む」です。