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2019.10.18

システム投資はカイゼンしてから

システム投資はカイゼンしてからのイメージ

システムがきちんと稼働しているか

働き方改革で残業を減らそう、人手不足を解消しようと、インターネットを現場に活かすIoTや定型業務を自動化するRPAを導入する企業が増えています。 導入したシステムは、うまく活用できているのでしょうか。

実は、システム導入したのにうまく運用できていない、現場で使われていない事例をよく聞きます。いったい、なぜでしょうか。うまくいっていない企業に共通するのは、システム屋が主導して仕様を決めて、導入されていることです。

システム屋が主導すると、運用されないシステムに

なぜそんなことが起こるのでしょうか。それは、システム屋は「あれもできます」「これもできます」と提案します。すると「いろいろできていいですね」となり、「そうなると工数がこれだけかかるから、金額はこれだけかかります」と大がかりなシステムになり、高額なシステム投資になるのです。

「あれもできる、これもできる」がクセ者で、現場サイドでは困ったことになることが多いのです。ムダな機能が多いと、操作しにくい。そもそも現場で使用する人の意見が入っていないので使いにくい。すると導入後も現場で使用してくれない、せっかくシステム導入したのに使われない、ということが起こります。

IoTの導入費用が数十万円で可能に

先日、「IoTに価格破壊を起こす!」と開発されている企業に行きました。数千万円かかっていたのが、数百万円でも安いと言われる中で、「数十万円で導入できる」とうたっています。どうしてそんなに安くできるのかと尋ねると、「仕様を絞ってパッケージ化したから」とのことでした。

「何のために導入するのか」「どんな情報が欲しいのか」がハッキリしていれば、過剰なシステムにならず、仕様がシンプルになるほど安価なシステムになります。このシステム会社の社長は、様々な現場に行き、実態を把握しているため、「この情報だけでいい」と絞ることができました。

カイゼンして情報を整理、整頓する

導入後もうまくいっている企業は、システム屋に任せずに自分達が主導しています。そういった企業は、カイゼンが進んでいる企業が多いです。導入する前に、まずカイゼンする。そして何のためにシステムが必要なのか、目的をハッキリさせ、そのためにどんな情報が必要なのかを自分達で把握しています。それからシステム屋と打ち合わせをしてから仕様が決まるため、不要なシステムにならず、また使う側の現場の意見が取り入れているために、導入後もうまく行きやすいのです。

ぜひ、システム導入時には、まずカイゼンをする。業務フローを見直し、ムダをはぶいてシンプルにする。そして「何のために導入したいのか」「そのために必要な情報は何か」をハッキリさせて、情報の整理・整頓をしてから導入するといいでしょう。

そして現場で使いやすいシステムになるように、現場サイドの意見をはじめから取り入れてください。そうすれば、安価で使いやすい、現場で使えるシステムになるはずです。

解説動画 三浦聡彦のカイゼンチャンネル