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2019.12.05

ユニバーサル改善は高生産性

ユニバーサル改善は高生産性のイメージ

障がい者が自立してイキイキと働く

大分にあるオムロン太陽の工場見学に行きました。

障がい者が健常者とともに自立して働いており、「障がい者は支援、援助される存在」ではなく、仕事をし、給料をもらい、キチンと納税して自立していました。

オムロン太陽は黒字で、事業としても成り立っています。

終業後はスポーツを楽しむ人も多く、働く人は誰もがイキイキとしている、素晴らしい会社でした。

障がい者が給料をキチンともらい自立し、事業として成り立つ秘訣に、「ユニバーサル改善」がありました。

ユニバーサル改善で高い生産性

「ユニバーサル」には「万人に共通の」という意味があり、「ユニバーサル改善」とは、健常者、障がい者に関係なく誰もが作業できるようにカイゼンする意味が込められています。

現場で見たユニバーサル改善事例を紹介します。

【事例1】片手でできる箱組み作業

通常、箱を組む時に両手で組みます。

しかし片手しか使えない障がい者でも組めるように、治具を作製していました。

治具に被せ、片手で1面ずつ折り込めば箱が組めるようになっています。

このように治具を作製することで、片手でも難なく作業できるようにカイゼンされていました。

【事例2】金具取り付け補助治具

ワークに金具を挿入するには、両手でかなり強く押し込む必要があり、健常者が8秒かかる作業を1日1000個行います。

私も挿入してみましたが、両手の親指をかなり強く押し込む必要があり、これを1000個、2時間も続けて行う場合、指先の痛みと握力の不安があるぐらい、負荷が高い作業でした。

それを挿入治具を使うことで、手指が不自由な方で「わずか3秒」で挿入できるのです!

手指が不自由な方でも3秒ということは、健常者はもっと早くなるはずです。

このようにユニバーサル改善は、障がい者の作業性を高めることが実は健常者にとっても効果があり、さらに早くミスがない仕組みを作ることになっていました。

オムロン以外にも、ソニー太陽、ホンダ太陽など8社が進出しており、700名を超える雇用を生み出しています。

障がい者が自立してイキイキと働くユニバーサル改善は、健常者にも誰にでも生産性が高い仕組みでした。