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2019.12.22

3ヶ月で黒字化した部品工場

3ヶ月で黒字化した部品工場のイメージ

覚悟

加工商社をしている社長は、部品加工の依頼があると、数社ある部品加工会社に手配していました。

ある日、ある部品加工会社の経営者から「自社で加工を行えばもっと儲かる」と持ち掛けられて買収しました。

ところがあれだけ納期を守っていた工場が、自社になったとたんに守らなくなりました。

しかも仕事はあるのに定時なると5分後には真っ暗で誰もいません。

会社は赤字になり、困った社長から相談されました。

社長は「半年後も赤字なら、工場を閉めたい」と嘆いてました。

そこで全社員を集めて、「半年後に赤字なら工場を閉める」と宣言してもらいました。

社長の覚悟を伝えたのです。

経営者と社員が同じ方向を向く

ところが社員は誰一人会社を去ろうとせず、「一緒に会社を黒字にしよう」と決意しました。

実は工場長、部長、課長の息子が社員として働いており、会社がなくなると「息子も働けなる」と焦ったのです。

そして社長から社員全員が「会社を半年で黒字化するぞ!」と初めて同じ方向を向くことができました。

それではどうやって黒字にするか。

皆が同じ方向を向くには、シンプルで誰もが分かりやすい指標を目標にした方が、行動しやすくなります。

どうやったら黒字になるか社長に聞くと、「加工高を1日140万円あげると黒字になる」とのことでした。

そしてそれを工場長と部長に「毎日140万円加工しよう!」と伝えました。

日々の目標に落とし込む

次にホワイトボードを工場事務所の壁に貼り、表を作成しました。

加工高140万円に横線を引き、毎日140万円になるよう、2週間分の仕事を入れ込みました。

「毎日この140万円の線を超えて黒字にしよう!」と言うと、その日からみんな残業をはじめ、なんと9時まで残って作業を行うように変わりました。

ここまでがカイゼン初日でした。

翌月行くと、毎日140万円を上げ続けていました。

ここでもう一つ大事なことを伝えました。

「実は定時で140万円加工しないと黒字にならないんですよ」と。

すると皆「よし、定時で140万円加工しよう!」となりました。

そこで「どうやって定時で140万円の加工をします?」と聞きました。

工場長は私の方をジッと見て「カイゼン教えてください!」と言いました。

ここから現場カイゼンがスタートしたのです。

それからすぐ現場に行き、間締め、レイアウト変更を行い 動作のムダを徹底的に廃除しました。

すると3ヶ月後には定時に140万円上げられるようになりました。

会社は黒字化し、社長をはじめ全社員が喜びました。

「やった、黒字になった!これで工場は残れるぞ!」と声がしました。

全員が覚悟を持ち、同じ方向を向き、そして今日一日の目標達成を続けた結果、短期間での黒字化が実現できました。